だれも知らない中国の悩み
中国の一流選手たちは、北京や上海など国の直轄市や省のチームに所属していた。それぞれの拠点で合宿生活を送っている。中国全土から選ばれた十五歳から二十九歳の選手が指導を受けている。
選手強化はそれほど順調ではないという。選手たちはあまり一生懸命に練習をしなくなっている。
挑戦心に欠けるという、コーチが嘆いている。いくら挙国体制の弊害だといわれても、なにがなのか、我々には分からない。その肝心なものをもたないのだからなにも分からない。上海市チームの場合、十六歳になると給料が支給されると聞いても驚かない。多くの選手はそれに安住する。
五輪でメダルを狙うという野心が希薄になるのだという。そんなものかもしれない。強化費は体育学校から省、市のチーム、国家代表まですべて国が負担する。それがどうもよくないらしいのである。
国が莫大な強化費を投入する方法が選手の向上心を妨げているというのである。いま中国の選手たちは怠け者らしい。コーチは自分は保母さんみたいだと笑うが、バドミントンでは集団脱走が起こっているではないか。たぶん一人っ子政策が選手の気質に大きく影響している。親が子どもに苦労をさせたがらない。
なにも苦しんでスポーツをやらなくてもいいという風潮があるのだった。自立できない選手が増えていると、関係者は悩んでいる。
中国では子どもの体力低下が深刻な問題になっている。それでも中国は強い。バドミントンなど手が出ないぞ。幼いころから発掘に力が注がれて、原石を見付けると骨を検査して、両親の体格を調査する。
将来の身長を推測する。将来性なら、もちろん見る。十五歳になると、単をするか複をするか見極む。計画的だ。
元国家代表チームの知人はバドミントンやめなさいと何度もいわれたことがあるというが、見込みがないと判断されたら、すぐ切り捨てられるのだ。
以上が中国のやり方、この方法がいいと信じる日本人が一人でもいるだろうか。私はみなが承知のことをしばしば書く。
(*二〇〇九年一月二十六日記)


最近のコメント